遺言書の書き方のポイントをわかりやすく解説
遺言書は自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類に分けられますが、どの形式であっても内容に不備があると遺言書自体が無効になってしまう恐れがあります。
もっとも、公正証書遺言は公証役場で証人2名以上の立ち会いのもとに遺言者が遺言内容を口述する方法で作成する性質上、無効になる可能性はほとんどないものとなります。
しかし、自筆証書遺言は遺言者自身が専門家の関与なく作成することから、内容に不備が生じやすいものであるため、遺言が無効とならないためには、遺言者自身が作成時に十分注意する必要があるものです。
また、秘密証書遺言については遺言者が作成した遺言書を公証役場で2名以上の証人立ち会いのもとに公証人に提出するものですが、公証人は遺言書の存在を保証してくれるのみで、遺言書の内容そのものを保証してくれるものではないために、内容に不備がある場合には無効になる可能性があります。
そのため、遺言書を作成する際には、下記のポイントに気を付けて作成を進めていきます。
■遺言書作成時のポイント
①公正証書遺言の場合
作成した遺言書の紛失・改ざんの恐れがある場合や、遺産を巡って相続人同士で争いが想定される場合には、公正証書遺言を作成することをおすすめします。
作成時には証人2名以上の立ち会いが必要ですが、この証人には、未成年者、推定相続人、遺贈を受ける者、推定相続人及び遺贈を受ける者の配偶者及び直系血族等はなることができないため、注意が必要です。
②自筆証書遺言の場合
遺言者自身が、全文を自書し、日付・氏名を書いたうえで捺印をします。
財産目録については自書の必要はなく、パソコン作成が可能ですが、各ページに署名・捺印が必要となります。
また、財産目録は遺言書本文と同じ用紙に記載することはできませんので注意が必要です。
財産目録には、相続財産を漏れなく正確に記載しましょう。
遺言書にしたがって遺産分割を行なった後、新しい財産が発見された場合、その財産については遺産分割協議をあらためて行わなければなりません。
相続人が一堂に会するのはなかなか難しい場合も多く、また、新しい財産が出現したことより、トラブルが発生することもあります。
そのため、財産は漏れなく記載しましょう。
加えて、土地や建物などの不動産については、どの不動産について書かれているのかが明確にわかるように、登記簿を記載するなどしましょう。
預金の場合は、口座番号や支店名なども明記しましょう。
そして、遺言書を作成する際には、誰が相続人になるのか、その範囲も把握している必要があります。
法定相続人であるにもかかわらず、遺言書において全く財産の分配が記載されていない場合、遺留分を主張される可能性もあります。
③秘密証書遺言の場合
秘密証書遺言は遺言の内容を公証人や証人、相続人を含む第三者に見られることなく作成ができることから、遺言内容を秘密にしておきたいが遺言の存在自体は証明してほしい場合に使われる方法です。しかしながら、その手間や手数料(11,000円)、記載不備の場合には無効となってしまうという点から、確実性に欠けるために現在ではあまり使われていない方法です。
あえてこの遺言方法で作成する場合には、手書き又はパソコンで作成・捺印し、遺言書に封をしてから遺言書と同一の印鑑で封印します。
■遺言書作成後のポイント
自筆証書遺言で作成した遺言書については、紛失・改ざんの恐れがないように、適切な管理をすることが重要です。
自筆証書遺言を作成した場合、家で適切に保管するほか、法務局に保管の依頼をすることもできます。
また、公正証書遺言を作成した場合には、公証役場において保管されます。
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