家族信託の具体的なやり方やメリット・デメリットとは
家族信託とは、自分の財産を信頼する家族に管理・運用を任せる財産管理方法の一つです。
本稿では家族信託やり方やメリット・デメリットについてご説明します。
家族信託の手続きの流れ
・家族信託について話し合う
まず、どのような目的で、どのような財産を信託するのかなど、家族の間で十分に話し合うことが必要です。
また、家族信託の内容は、誰もが納得できる形で合意するのが理想的です。
・信託契約書を作成
事前に収集した情報をもとに信託契約書を作成します。
信託契約書の書式はインターネットでダウンロードできるものもありますが、現在は契約書の形式そのものが確立されていません。
本やインターネットを参考にしながら、必要事項が漏れぬよう作成することもできますが、専門家に聞くことも重要です。
・信託契約書を公正証書にする
契約書をより確実にするため、信託契約書を公正証書にすることが可能です。
公正証書にすると、契約書の原本が公証役場に保管されるため、契約書の紛失のリスクを防ぐことができます。
加えて、公証人が信託契約書の作成に関与して委託者の身元や意思を確認するため、契約書作成時に委託者の意思があったことを証明する役割も果たします。
・信託財産を受託者に名義変更(信託登記)
信託契約を結んだだけでは、受託者が実際にその人の財産を管理・運用することにはなりません。
不動産のように名義がある財産については、委託者から受託者に名義を変更する必要があります。
・銀行口座を開設
受託者自身の財産とは別に管理する必要があり、一般的に銀行口座は別口座を使う必要があります。
また、信託専用の口座を作成できる金融機関は限られているため、対応している金融機関を探すことが必要です。
・信託による財産管理の開始
以上の流れで、家族信託の手続きが完了となります。
受託者は委託者の意向に沿って財産の管理・運用を行います。
家族信託のメリット・デメリット
①メリット
・柔軟な財産の管理ができる
家族信託は、事前に決めた内容であれば、自由に財産を管理・運用・処分できます。
家族信託では、本人が元気なうちに、本人の希望や方針、そのために付与される権限を信託契約書に記載することができます。
この希望や方針に反しない限り、財産管理人となる息子や家族は、本人の希望に沿った柔軟な財産管理を行い、積極的かつ有効な資産活用ができるのです。
・認知症による資産凍結を防ぐことができる
認知症になるとさまざまな契約行為を行うことができなくなります。
その点、家族信託をすれば、子や親族に財産の管理を託せることができ、家族信託をした後に本人が認知症になっても資産が凍結されることはありません。
②デメリット
・認知症後は利用できない可能性がある
家族信託契約を締結する際、認知症の症状が現れた場合には、公証役場で契約を締結する際に公証人から「診断書」の提出を求められる場合があります。
・税務申告の手間がかかる
家族信託をして利益が発生した場合は、税務署への届出が求められることがあります。
具体的には、年間の収益が3万円を超える場合、信託財産を信託する人は、毎年、信託計算書と信託計算書合計表を税務署に提出しなければなりません。
・相続税がかかる場合がある
家族信託した場合でも、財産の権利を持つ親が亡くなった時には相続税に相当する金額を納める必要があります。
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